育成就労制度が導入された背景と目的

近年、日本は近隣諸国との間で人材確保において競争が激化しています。台湾や韓国などが就業先としての魅力で上位に位置し、日本の相対的な魅力が低下している現状があります。このため、長期間にわたり産業を支える魅力ある制度を確立し、選ばれる国になることが求められるようになってきたことが制度の背景です。

外国人材の重要性が増している中で、日本は2040年までに1200万人の生産年齢人口が減少し、2100年には人口の4割が高齢者になるという厳しい人口動態に直面しています。国内での人材確保に最大限努力しても、人手不足は避けられない状況です。

これらの背景から、日本は外国人材を活用し、彼らにとっても魅力ある働きやすい環境を整備することで、長期的な産業の持続可能性を確保しようと制度の見直しが検討されてきました。

育成就労制度への制度変更までのこれまで流れと今後の予定

  • 令和4年11月22日、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議の開催が決定され、その後令和4年12月から16回にわたり有識者会議が開催されました。
  • 令和5年5月11日、令和4年12月から7回にわたり開催された有識者会議での議論を踏まえた中間報告書が関係閣僚会議の共同議長である法務大臣に提出されました。
  • 令和5年11月30日に「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」の最終報告書が法務大臣に提出されました。
  • 令和6年3月15日の閣議にて新制度として「育成就労」制度を創設する法案が閣議決定されました。
  • 今後国会に提出され、成立すれば公布後3年以内、2027年にも施行される見込みです。

技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議

技能実習制度、特定技能制度との違い

育成就労制度は、技能実習制度が国際貢献や人材育成を目的としている制度であるところ、人材育成や人材確保を目的としている制度です。
また、受入れが可能な職種や分野が、育成就労制度では特定技能制度の分野と原則一致とすることが見込まれていることで、受入れが可能な職種や分野が広がることも考えられます。

技能実習制度育成就労制度
(新制度)
特定技能制度
制度の目的国際貢献
人材育成
人材育成
人材確保
人材確保
在留期間技能実習1号:1年間
技能実習2号:2年間
技能実習3号:2年間
3年以内特定技能1号:通算5年
特定技能2号:在留資格更新制限なし
転籍原則不可要件満たせば可可能
受入れが可能な
職種・分野
90職種165作業
(令和5年10月31日時点)
特定技能の特定産業分野原則一致特定産業分野
12分野

育成就労制度への見直し後のイメージ

【現行の技能実習制度・特定技能制度の流れ】

【新制度・特定技能制度の流れ】

  • 特定技能1号については、国内外で実施されている「試験ルート」によるでの在留資格取得も可能です。

お問い合わせ・ご相談

育成就労制度の施行は2027年以降と予定されておりますが「現時点での情報を詳しく知りたい」「育成就労での受入れの前に技能実習制度での受入れを検討している」というような場合にはお気軽に組合までご連絡ください。

お問い合わせ・ご相談・お見積り

資料請求、話を聞いてみたいというところからでもお気軽にご連絡ください